ニュース
播種技術開発
株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役グループCEO:丸幸弘)は、「LVNS Forest Project(リバネス・フォレスト・プロジェクト)」における取り組みとして、パートナー企業の1社であるKOBASHI HOLDINGS株式会社のグループ企業KOBASHI ROBOTICS株式会社(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長 小橋正次郎)と共同で植林に使用する「植林用播種ドローン」の開発を推進。プロトタイプが完成したことを受け、2023年8月2日(水)、東京都墨田区の「センターオブガレージ」においてプロトタイプのお披露目を兼ねた記者発表を実施しました。
当日は、登壇した3人により主に下記について発表を行いました。
・株式会社リバネス 執行役員 塚田 周平
ーリバネス・フォレスト・プロジェクトの概要
ー「植林用播種ドローン」開発におけるポイントおよびプロトタイプ完成までの経緯
ー今後の計画について
・KOBASHI ROBOTICS株式会社 知識製造部 部長 稲田 和也
ー本プロジェクトのパートナー企業として本開発に携わった経緯
ー「植林用播種ドローン」の技術的特徴
・株式会社リバネス モルティングジェネレーター 立崎乃衣
ー開発における重要ポイント「シーダー機構開発」の経緯
ー「次世代を担う開発担当者」としての学び、思い
リバネス・フォレスト・プロジェクトでは、引き続き「植林用播種ドローン」の改良を重ねていく予定です。合わせて、他のパートナー企業とも同様に具体的な取り組みを推進し、本プロジェクトの着実な歩みを進めていきます。
⚫️「リバネス・フォレスト・プロジェクト」および「植林用播種ドローン開発」の概要は以下の通りです。
⬛︎ リバネス・フォレスト・プロジェクトについて
2023年3月、それぞれが多様なアセットをもつ日本企業12社とともに、科学・技術の集合体であるディープテックを組み上げ、持続可能な形で森林と人が共生する社会をつくる「LVNS Forest Project(リバネス・フォレスト・プロジェクト)」を立ち上げました。12社のパートナー企業が有するアセットを活用しながら、破壊が進行している森林の生物多様性を守り、新しい人の生き方、町のあり方の開発を目指しています。リバネスが2023年6月に刷新したコーポレートブランド「知識製造業のリバネス」の具体的な一例が、本プロジェクトです。
プロジェクトサイト:https://forest.lne.st/
<LVNS Forest Project 12社の日本企業(五十音順)>
株式会社ACSL/株式会社荏原製作所/KOBASHI HOLDINGS株式会社/サグリ株式会社/
株式会社JEPLAN/株式会社パイオニア・コーポレーション/長谷虎紡績株式会社/
東日本旅客鉄道株式会社/BIPROGY株式会社/株式会社フォーカスシステムズ/
株式会社ユーグレナ/ロート製薬株式会社
⬛︎ 「植林用播種ドローン」開発について
リバネス・フォレスト・プロジェクトにおいては、以下の3つのミッションを掲げています。
Mission 1: テクノロジーを活用した新たな植林体系の構築
Mission 2: 持続的に森と共存していく意識の醸成
Mission 3: 森林から有価物を生み出す多様な手段の構築
今回、KOBASHI ROBOTICS株式会社と進めた開発は、「Mission1:テクノロジーを活用した新たな植林体系の構築」を目的としたものです。
具体的には、植物の種子を土壌等の資材で球状に被覆した「シードボール」を、ドローンを活用して落下させて広く植林する体系の実証を進めています。なお、この植林体系は、フィリピン発のベンチャー企業・GALANSIYANG Inc.(ガランシアン)の発案です。
この度、播種を行うドローンの開発をKOBASHI ROBOTICS株式会社と共同で推進。5月に試験飛行およびシードボールの落下機構のプロトタイピングを実施しました。
1 KOBASHI ROBOTICS株式会社と共に取り組んだ経緯について
リバネス・フォレスト・プロジェクトのパートナー企業の1社であるKOBASHI HOLDINGS株式会社(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長 小橋正次郎)は1910年創業の農業機械メーカーで、中でも農地を耕すトラクタに使用する「耕うん爪」は世界トップクラスのシェアを有します。
同社は、「地球を耕す」という理念のもと、より豊かな人々の生活および地球を次世代に残すべく、地球規模の課題解決に取り組んでいます。人類にとって欠かせない森林を豊かにし、森林と人類が共存できるサステナブルな社会システムの構築に寄与すべく、リバネス・フォレスト・プロジェクトに参画。
また子会社であるKOBASHI ROBOTICS株式会社は、地球や人類の課題解決に資する技術の社会実装を加速させるため、量産化を含めてスタートアップ企業のモノづくりを包括的に支援しています。本プロジェクトにおける実証実験を早期実現させるために、ゼロから「植林用播種ドローン」の開発・製造を担いました。KOBASHIの長年にわたって培ってきたノウハウにより、手戻りのない効率的なモノづくりによって、2か月という短期間で試作品を完成することができました。
2 開発における主なポイントについて
今回の共同開発は、以下2点をポイントとして推進しました。
・シーダー(シードボールを落下させる装置)機構の開発
・シードボールによる播種手法の仮説検証
特にシーダー機構の開発においては、シードボールを詰まりなく送り、1アクションにつき1つずつ落下させるという一連の動きを実現する必要がありました。そのため、シードボールの大きさや硬さなどを含めさまざまな角度から検証、実験を繰り返し、結果、5月の試験飛行において実現に至りました。
3 「次世代を担う開発担当者」について
今回の開発における重要ポイントである「シーダー機構の開発」。これを担ったのが、株式会社リバネス モルティングジェネレーターの立崎乃衣です。株式会社リバネスは、中学高校時代に類稀な才能を発揮して研究開発に取り組んできた18-22歳を対象として、リバネスの知識製造業にコミットし本気でサステナブルビジネスを創る経験を積む仕組み「アドバンス採用制度」を2023年に新設。立崎はその第一号となり、高校卒業後のギャップイヤーを利用し2023年3月にリバネスに入社しました。
小学生の時からオリジナルロボットを開発する中で得た知識、技術を存分に発揮してもらうことに加え、現在19歳の立崎が本プロジェクトに参加することにはメッセージも込められています。長期的に取り組む必要のある、地球上の根深い課題「ディープイシュー」の解決を目指す本プロジェクトにおいては、次世代を担う人材を巻き込んで推進することが不可欠だと考えています。
⬛︎ 今後の計画について
現在、フィリピンのDepartment of Environment and Natural Resources – Forest Management Bureau(環境天然資源省 – 林野管理部局)より「リバネス・フォレスト・プロジェクト」との連携を前向きに検討しているとの知らせを受けています。連携計画を進め、フィリピンの荒廃した森林を使って実証を進めていく予定です。
「植林用播種ドローン」はプロトタイプが完成しましたが、シーダーや操作方法などにおいて、改良の余地があると考えています。また、海外の森林での実証を進めるに当たり、気候によって機動やシードボールの発芽へ影響が出る可能性も想定されます。そのため、引き続き改良を加えた上で、フィリピンでの実証に活用する予定です。時期については早ければ2023年度内を目指しています。
さらに、フィリピンだけにとどまらず、ニーズが確認できているマレーシアなど他の国でも活用。「リバネス・フォレスト・プロジェクト」のミッションの1つである「テクノロジーを活用した新たな植林体系の構築」を着実に推進します。合わせて、他のパートナー企業とも同様に具体的な取り組みを推進し、本プロジェクトの着実な歩みを進めていきます。
<本件に関する問合せ先>
株式会社リバネス 神藤・望月
お問い合わせ:https://forest.lne.st/contact/